2014年12月24日水曜日

医療機器とNFC

photo by Konstantin Lazorkin, Flickr


デジタル化する医療器具

ちょっと熱っぽいな?と思った時、体温を測る体温計。昔は水銀を使ったアナログ式で、測る前に振って温度を下げていたものですが、最近はボタン一つでリセットし、測定が終わると音で知らせてディスプレイに体温を表示するデジタル式が主流です。

今や体温計以外にも、血圧計、心電図、体重計など、様々な医療器具がデジタル化され、家庭のみならず様々な医療現場でも広く利用されています。

タップしてデータ転送出来るNFC

ところが、これらデバイスのデータ出力はディスプレイ表示のみ、もしくはプリンターで印字出力されるケースが大半を占めることから、データの読み取り・外部記録に手作業が介在し、誤判読や記入ミスが起きることも。

測定データをデジタルのまま転送・記録出来れば、判読・転写時のミスを防げる他、治療記録に即座に反映出来るためとても効率的です。

こうした体温計や血圧計などの医療器具から測定データを読み取る方法として、NFCを利用する機器が増えつつあります。スマートフォンやタブレット・PCのNFCリーダーに測定器をタップするだけでデータを読み取り、そのままダイレクトに患者さんの診療データに反映することで出来ます。現在、テルモ株式会社の「HRジョイント」シリーズなど様々な製品が実用化され、実際の医療現場で利用されています。

在宅ケアへの広がり

また、高血圧や糖尿病など、生活習慣病の在宅治療の際には、血圧や血糖値の定期的なモニタリングが不可欠ですが、血圧計や血糖値計にNFC対応のスマートフォンをタップするだけでデータり読み取りが出来ると、転記ミスが防げる他、スマートフォンからデータを送信し、医療機関とリアルタイムで最新データを共有することも可能です。

NFCというと、IT機器のペアリングやモバイル決済がよく話題となりますが、この様に医療現場でも活躍が広がりつつあることに注目です。