2014年9月10日水曜日

iPhone 6 / Apple Watch + NFC で実現するApple Pay



今回は、米国時間9月9日にAppleが発表した、NFCを用いたモバイル決済サービス「Apple Pay」について触れたいと思います(※)。

(※) 以下解説は、9日のAppleの発表内容を基に、周辺状況を総合して全体像を「推測」したものである為、未確認内容を含みます。詳細仕様が確認され次第、更新致します。


iPhone 6とApple Watchで利用可能な「Apple Pay」


直前の予想どおり、AppleはiPhone6とウェアラブルのApple WatchにNFCを搭載し、タッチするだけで支払いが完了するモバイル決済サービスを発表しました。

「VISA、MasterCardそしてAMEXのクレジットカード3社と合意・提携」「クレジットカード番号をトークン化して認証する方式」と発表にあったところから考えて、Apple Payは3社が導入を進めるトークン処理(※1)のスキームを利用すると推察されます。

これらクレジットカード3社では、既にNFCベースのモバイル決済の対応を開始済みで、加盟店店頭にはNFC対応のPOS端末(Reader/Writer)の設置が進んでいます。これら既存のReader/Writerを(ハードウェアとしては)変えることなくApple Pay対応を行うと考えられるため、iPhone 6及びApple Watchに搭載されたNFCはType-A/B方式のものと思われます。直接Appleから発表はありませんが、状況から推測すると、FeliCa対応は見送られた模様です。

(※1) トークン処理の導入については、昨年10月1日に3社共同で共同発表しています。この水面下では、Appleとの交渉が並行して進められていたと思われます。尚、今回の発表を受けて、VISAとMasterCardは、それぞれApple Pay対応について同じ9日にプレスリリースを行っています。


クレジットカード3社のNFC利用によるモバイル決済は、既にNFC対応のAndroidデバイス向けに着々と導入が進められていることから、今回のApple Payの開始により、このスキームが世界共通のデファクトとなる形で、今年末から来年にかけて一気に市場に浸透する可能性が高そうです。